超人ロック 憧憬

「ロックインザボックス」

『ペアペアライサンダー』にはロンウォールが出てきたりして、超人ロックと共通宇宙だと思っていたが、ちょっと違う感じの二人。そこに、ちょっと違う感じの超人ロックが現れて、多元宇宙のたくさんの超人ロックの戦いに巻き込まれる。

ただし、多元宇宙なので、本線のロックより殺伐とした性格のロックが次々出てきて・・というセルフパロディーの楽しい一品だった。「黄昏の戦士」という『黄金の戦士』のキャラクター風の狂人が出てくるものなどあったのを思い出した。

「憧憬」

絶筆。第4話の荒れた絵は、しかし、初期のころの超人ロックの面影が見えて、趣があった。最終話はアシスタントによる作画らしく、絵はうまくてきれいだけれど、聖悠紀とは違う絵だった。ただ、無理に似せないのが良かったのかも、とは思った。絵面を似せるイタコ漫画でなくて良かったのだと。

狐火の辻

これを読む前に『狂い壁 狂い窓』を読んでいて良かった。

もしも未読の人がいたら、本作より前に読んだ方が良い。逆順だと怖さが半減すると思う。

ホラーのような怪事件、不気味な噂が人の仕業として解明されるというミステリーの王道的な話なのだが、独特の手触りがある。『虚無への供物』に触発されて新時代の奇書となった『匣の中の失楽』を世に問うただけあって、本作も『虚無への供物』とどこか似た味がする。本作はいわゆる「アンチミステリ」ではないと思うので、作品としては全然違うのだけれど、「寄る辺ないさみしさ」のようなものがそこはかとなく漂っている気がする。

致死線の彼方

「致死線の彼方」

自主性を奪われたウェイデンバーンを乗せたまま銀河系船団はフロストルービンに突入するが、セト=アポフィスの策で《ソル》がコースを外れてしまう。プルーク・トーセンの意識片と対話したローダンはタウレクと共に《ソル》を追跡し、コースを元に戻す。

「エネルギー圃場の危機」

ところが、M-82についたときに船団はばらばらになっていて、《バジス》は遅れて追跡していたはずのアルマダ艦隊の中に出現した。シグリド人の艦が衝突するわ、ブラックホールに餌をやってエネルギーを得る圃場の圏内に入って脱出しないとつぶれてしまう状況に陥るわと次々災難が続く。一方、ベッチデ人トリオの艦隊もM-82に進出してきて、ストーリーに合流するのではという感じになってきた。

表紙絵はアラスカ・シェーデレーアの仮面が外れて手で顔を覆っている姿だったが、M-82到着時にカピン断片が消滅していて、見慣れぬ素顔とカピン断片を失ったことによる能力喪失に悩んでいた。しかし、実際のところ見るものを狂気に陥れる能力を実際に敵に使った例もほとんどなく、むしろ味方に危機を招きかねないものだったし、顔面のカピン断片はキャラを立てる訳以外に役割はなかったと思う。

瓦礫の騎兵

「印章船」

二種族の争いに巻き込まれたエリック・ウェイデンバーンは滅びゆく種族クオウォックが誘拐したスケンダーの子供を養子として育てて種族の名を存続させようとすることをサポートしたが、その実、スケンダーが養親種族を滅ぼしてしまうカッコウのような戦略だった。アルマダ作業工が関与して養子を元の親に戻すことになり、ウェイデンバーンは真に人類初のアルマディストとなる。

「瓦礫の騎兵」

ウェイデンバーンはアルマダ炎を得て銀河系船団を接収しに来たが、実は彼の意思は奪われていた。ローダンはフロストルービンに突入してアルマダ艦隊の包囲網を脱出する作戦を実行する。

杏林の面会は5時までと思っていたが、4時までだったので、ちょっとあせった。今回はローダン一冊だけ読めた。

偽アルマディスト

「偽アルマディスト」

アルマダ種族であっても頭上にアルマダ炎がないものは偽アルマディストとして迫害されていた。アルマダ炎を持たない異人 (トロトが乗っていてアルマダ艦に拿捕された《プレジデント》のテラナー) に出会ったヘルキド人エーナはアルマダ炎を持たない同士の束の間の交流の後、フロストルービンに落ちていく。

「宇宙での反乱」

セト=アポフィスの補助種族、鳥人間クルウンの少年クリクルと悪童オリーの交流、「人類最初の無限アルマダの一員」ウェイデンバーンの反乱と脱出が目玉。

無限アルマダが探し求めるトリイクル9とスタックが同じものならば、つじつまはあっている。トリイクル9とフロストルービンが本当に同じなのかという疑問が呈されていたので、もしかしたら、後で「実は・・」があるかもしれない。

無限アルマダ

「無限アルマダ

《ソドム》が叛乱で壊れた体でアルマダに潜入するが、巨大バスタブ状のアルマダ艦に拿捕される。しかし、敵も一枚岩でもなかったので、どさくさまぎれに艦底をぶち破って脱出に成功。

「最後のミルヴァナー」

アルマダのゼンセ人とソプカラリドが秘密を探らんとする最後のミルヴァナー艦は人食い植物の支配する地獄だった。ラスとグッキーと共に艦に潜入してその秘密を知った二種族の二人はテラナーの友となる。幽霊船に宝はなかったけれど、種族の争いが終わり、友を得たことが宝だったのだという話。

ポルレイターとの決別

「ポルレイターとの決別」

ポルレイターはコスモクラートの直接の代理人を気取ることをやめ、テラナーの助言者として生きる道を選ぶが、カルデクの盾は失われる。

「フロストルービン」

物質の泉の彼岸から来た男とローダンはフロストルービンに突入し、セト=アポフィスの実態に近づく。どうやら意識片をさらってきて構成した集団知性がその正体で、本拠は石の使者が来たらしいM-82銀河だった。

今日は、この次の「無限アルマダ」の読み始めまで進んだ。続きはまた来週かな。