星野架名 永遠の緑野原

原画展の会場だったスパンアートギャラリーで購入した。 

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星野架名がデビューしたころ、少女マンガにはまっていて、目当ては柴田昌弘とか和田慎二だったが、「花とゆめ」はほぼ毎号買っていた。金を出したからには全部読まねば、の精神で端から端まで読んで、時にカラーページを保存用に取り外したりしていたが、そんな時代に出会った作家の一人が星野架名だった。ほんの少ししか年齢の違わない人が見せるファンタスティックな世界と心のゆらぎに魅せられて、単行本が出るたびに買っていた。『ピグマリオ』は買わなかったので、当時はそれ以上に評価していたらしい。

今にして思えば、若くして売れっ子作家になったためか、学園生活以外のリアリティーが希薄になっていたのかもしれない。映画業界を舞台とした「ビリー・エメラード」シリーズは未読だが、もしかしたらメディア化経験から学園と違うリアルを描けているのかもしれないが。

本書に収録されている遺稿「2度寝の唯子」は原画展でも一部展示されていたが、いかにも星野作品らしい漫画で、楽しく読むことができた。ファンだった人は全員買って読むと良い。あの頃のように小遣いの使い道に悩むことはなくなっているだろうから。