サリア遊廓の聖女

面白かった。マリウス登場を書いていたあの頃の栗本薫と、晩年の軽みというような雰囲気とを混ぜ合わせたような、純粋培養。

最後のちょっとした救いは多分栗本薫にはできなかったかもしれない。伏線めいたものは最初からしかけてあり、うまいと思った。栗本薫が意識的には書いていなかったものを読み取って生まれた、本当にグイン・サーガが好きな人にしか書けない作品だと思う。