- 作者: 竹本健治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/03/15
- メディア: 文庫
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久々に牧場シリーズを読む。途中の座談シーンが『虚無への供物』風で、中井英夫激賞もうなずける文章だと思う。
連珠といろは歌の二つが中心の話題で、いろはの方はしっかり作りこまれているが、連珠の方は、動機となったあれが完全版になるものか判断が付かず、もともと途中まではそれっぽく見える不完全なものだとすると (おそらく竹本自作で途中まで埋まるものを作ったのだろうが)、これで殺されるのはかわいそうな気がする。
しかし、翻って考えれば、自作でよくもここまで盤を埋められるものを作れたのか、ということで、やっぱり竹本は天才なのだろう。