前巷説百物語

前巷説百物語 (角川文庫)

前巷説百物語 (角川文庫)

面白い。小股潜りの又市が御行の又市になるまでの物語。人を死なせまいとしていたが、続巷説で決着のつけられることとなる祇右衛門との過酷な争いで仲間たちを失っていく。ところどころで泣かされた。
「かみなり」のあたりから苦味が増してきて、「山地乳」のデスノ絵馬をつぶすところで一挙にきな臭くなり、「旧鼠」ではもう涙が。