8節と10節を少し更新

ちゃんと辞書を使いながら読むと、読み落としたところが次々と発覚して、ありゃりゃという感じ。
「永遠のエクスタシー」には二人のイデオローグ、ミシェルとリックがいるのだが、二人が言っていることは本質的にはほとんど一緒で、それがこの本の特異なところになっている。言ってみれば、「反ポルノ」小説だった。本来動物的で、肉と肉が求めあうのが正しいのに、テレビの画面の中の女に性欲が向ったりしてしまう。文化的になることで、生き生きとしたものであるはずのものが死んだもの、枯れたもの、(二次元とか…)に向かってしまう。それは間違いだ。規範を外部に求めず、自分の中から出て来る本能の叫びに従って生きることが大事だという考え。ポルノなど捨てて、ナンパする方がよほど健全だという思想に彩られている。文明の殻を捨てて動物として、野性として生きることをたたえながらも、ポルノとしても面白いという、本当に不思議な本だ。