後始末

両親が去り、無人となった実家の売却が終わった。
妹が口座を開いている銀行の小切手で支払われたので、半分を現金にして私の銀行まで歩いた。妹と二人で。窓口では夫婦と間違われ、一度訂正したが、直らなかった。
束の間、札束を抱えてから身軽になった頃には昼時で、久しぶりに二人で食事した。
妹はリストラで来月から関連会社に出向とのこと。私も会社を辞めることを告げた。色々な節目の重なる時、我が家の一つの時代が終わりを迎えている、そんな気がした。
大阪に行くのが辛い、ということのもうひとつの意味は言わないが。まあ、身心に良くない生活が続いていたのは事実だし。
最後に伝説を残すことを密かに期して、大阪に行く残りの日々を待っている。