玻璃の天

玻璃の天 (文春文庫)
直木賞を受賞したベッキーさんシリーズの第二巻。いよいよ文庫になったので、買った。今、表題作を読んでいる。
「幻の橋」の感じのよい青年士官はまた出てくるのかしら。桐原勝久大尉は、実はベッキーさんに気があるのではないか、まぁ撥ねつけられるのが関の山だと思うが。
また、「想夫恋」の二人をうまく助けられたろうか、などと。
主人公の気高さがすばらしい。凛としていて、その上賢い。ベッキーさんはもちろんその上を行ってはいるのだが(円紫さんのように) 実際の謎は全て「わたし」こと花村英子が解き明かす。解かれる謎のせつなさがまた、たまらなく心にしみる。