ベイクド・マンション

新宿御苑前駅近く、シアターサンモールにてシアターキューブリックの公演、「ベイクド・マンション」を観た。
同居人が今ひとつ理解できなかったというので、物語の流れを無視して時系列で解体してみる。
とあるマンションに五人家族が暮らしていた。長男は自閉傾向があり、鉄道の再現を一人でする等の奇行をする。長女かなえは絵を描くのが好きで、母は魔法使いだと思ったりする。妹はるかはまだ赤ん坊であった。かなえの父はパン屋の女と恋に落ち、家を出て行ってしまった。それでも残った家族四人で懸命に生きていた。そんなある日、かなえは三匹の捨て猫を拾う。こっそり飼っていたが、母に気づかれ、外に捨てるように言われる。その日は久しぶりに父が女を連れて家族に会いに来る日であった。父がもとの一家に戻るつもりではないことを察したかなえは猫と共に屋外にいることにした。その日は寒く、ライターを拾ったかなえは「マッチ売りの少女」の話を思い出しながら暖をとるためにライターに火を点す。それがかなえの住むマンションに燃え広がり、家族を含め住人はみな焼け死ぬ。
その頃のことを忘れてしまったかなえは、三匹の猫につけていた名前を無意識のうちに主人公三人組にあてた絵本がヒットして人気上昇中の絵本作家になっていたが…
で劇の冒頭につながっていくのであった。
ジェントル・ゴースト・ストーリーの系譜に入るもので、場面転換による背景の説明という仕掛けも悪くない。
本質的に未来志向で甘いところも含めて若者らしくて。